2009年04月29日

昭和の日つれづれ

今日は「昭和の日」ですが、つい20年前までは天皇誕生日でしたね。

それを知らない二十歳前後の世代が、テレビに沢山出ている時代ですから、「昭和も遠くなりにけり」と言われるのも時間の問題ですか?

裕仁親王(崩御後追号して昭和天皇)がお生まれになったのは、1901年4月29日ですからまさに20世紀元年ですね。
年号でいえば、明治34年になりますか・・・・・


前にもいった歴史を遡行する探偵癖で、年表を開いているとなかなか楽しいものです。
前年に起こった義和団事件(北清事変)が報道映画になって、これが日本のニュース映画の最初だとか。

関東地方金融恐慌、それが関西にも波及、と?
前年には、東京にペスト流行なんてのもあって、現在の金融恐慌や豚インフルエンザ騒ぎに照らすと、規模こそ違うものの人間の営みはいつでも繰り返しですかね。

かっては、若者の誰もが読んだ国木田独歩の「武蔵野」が出たのもこの年。東京郊外の武蔵野の自然が、みずみずしい筆致で描かれていましたが、それが今の渋谷界隈だとすると昔日の感どころではない思いがあります。
そして、与謝野晶子の歌集「みだれ髪」が・・・・・・

あの与謝野馨財務相のお祖母さんだということは、どなたもご存知のことでしょう。祖父鉄幹も歌人、その孫のイメージとはちょっとそぐわない気がするというのはおいといて、改めて感じたことがあります。
それは、遠い昔と思いがちな明治でさえ、こうしてまさに地続きで継がっているのだということ。

昭和なんぞは、まだすぐそこにあることになりますよね。
でも、陸奥の平成生まれにさえ「昭和顔」と馬鹿にされかねない?昭和人にとっては、内心穏やかでないご時世かもしれません。

昭和の日にちなんで、昭和史にもどります。

昭和17年6月にアリューシャン列島のアッツ、キスカの両島を日本軍が占領しました。
これは緒戦で日本が米英の艦隊を壊滅してしまったので、日本海軍としては大きな標的がなくなってしまった。
そのために、海軍としての次の作戦計画を急遽ねらなくてはならなくなったことに関連するようです。
そのときに海軍軍令部から出たのが、米軍がアラスカ伝いに千島から攻め込んでくるかもしれないという想定。

千島で見張るだけでは覚束ないということで、警戒線を拡げるための攻略だったのですね。多分、図上だけの作戦計画では?
それというのも、予想をはるかに超えた気象条件の厳しさに、補給も援護も困難だと言うことが出来したのでした。「そんな島に、部隊を送り込む奴があるか」という声が、軍上層にあったとか。

占領とはいうものの間違ってもその島を手に入れようとか、ましてアラスカ方面から攻め込もうとかいう意図などは皆無だったわけですね。
米軍側は仰天して、あわててカナダを通ってアラスカに抜ける軍用道路を作りましたから、もしかすると二島攻略はかえって薮蛇だったかもしれない?
ではなぜ、大きな犠牲を払ってそんなことをしたのか。

開戦のときに、すでに敵の本土空襲を予測して山本五十六司令長官が、東太平洋深くに警戒線をしいて、見張りの船(漁船)を派遣したことは、前に第23日東丸のことでふれました。
現代と情報通信がまったく違う当時としては、敵の攻めてくるのを一瞬でも早く察知するためには、出来るだけ相手に近いところに監視点を置く必要があったのではないでしょうかね。


このアッツ島は、昭和18年5月に米軍の逆上陸にあって、北海守備隊は司令官山崎保代大佐以下2500余名が「玉砕」しました。
あの戦争で、玉砕という言葉が使われた最初でした。

昔は、年長も幼年もいつも一緒に遊んだりしてましたから、アッツ島玉砕のことは子供の間でもさざなみのように伝わりました。
通りで遊びながら、あの時初めてふとかすかに胸のうちに不安を感じたのをはっきりと覚えています。
あれが昭和18年だったとすれば、自分は幼稚園児だったのですが・・・・・


わたくしごとはともかく、昭和の日にふと頭に浮かんだのは、次のエピソードでした。
陸軍の参謀総長かだれかが、昭和天皇にこのアッツ島守備隊の最後を上奏したときのこと。

昭和天皇は追悼の姿勢をしめされたあとで、
「最後までよくやった。このことを伝えよ」
と、言われたそうです。
参謀総長は、すでに無線機も破壊されてしまっていることを申し上げると、陛下は次のように・・・・・・

「それでもよいから電波をだしてやれ」



無線機が壊れたから打ってもムダ、というのは心無い並の人間の考えることでしょう。

この、北の空に向けて放たれた無電のことは、大分後になってどこかで読んだのですが、いまでも折にふれてよみがえる昭和天皇の思い出です。






posted by shuuin at 18:15| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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