2007年06月08日

仮想敵国

なんとなく海軍のほうが好き、という人も少なくないようです。

戦艦大和とかの、軍艦好き?もふくめて、WEBサイトでも海軍にまつわるものの方が、多いような気がします。

で、真珠湾攻撃で始まる大東亜戦争(戦後の呼称は太平洋戦争)が始まったのが、昭和16年12月8日。
むかし、「行くよ一発真珠湾」と年号覚えた1941年、今の子供はなんて覚えるのかな?

その開戦前夜はどうだったのか、と遡ってゆくと「いくさ難儀な日華の変」で1937年(昭和12年)の支那事変(戦後は日華事変、さらに日中戦争と)にぶつかる。

私見ですが、この歴史上の呼称をさかのぼって変更するというのは、対中国の場合がきわだつのですが、これは何かの特別な事由があるのか、いつも不思議でした。というのは、一次資料とか根本資料なども改変して記述するものさえあるようですから。
時代劇の登場人物が、現代語で喋ったら感じる違和感、に近いですか。

話を戻しますが、この事変が有名な盧溝橋事件で始まりますが、さらにその前夜は?
前年(1936)に、二二六事件が起こっています。

この二二六事件を契機にして、軍部が前面に出てきて一気にあの時代の日本を壟断し始めた。というのが、戦後になって戦前を総括した史家の定説になってます。
事件を起こしたのは、陸軍の青年将校たちですし、参謀本部は陸軍ですから、その後のすべては陸軍主導の戦争だった。海軍はやむを得ずそれに協力したに過ぎない、と。

あらすじでいえば、そうなのかもしれませんが、ことはそれほど単純ではないから、歴史は奥が深いし面白いですね。

ところで、陸軍の仮想敵国はずっとソ連でした。
これは、ソ連に攻め込むということではなく、ソ連の南下政策を警戒してのことですが。

満州事変、満州建国なども対ソ戦の基地の要素が大きかった。

で、二二六事件前後の日本の国力では、万一の場合にソ連と戦うことはできないことを、実は参謀本部が気がついていました。

簡単にいってしまえば、陸軍はこの時点でまったく自から戦争をすることなど考えていなかったんですね。
支那との戦争などまったく、想定していない。
まして、米英を敵などとは夢にも考えていなかった・・・・・

南太平洋に進出して、石油資源を欲したのは、実は艦隊を持っている海軍でした。海軍の南進論というのは知ってましたが、この海軍の強い意向で、広田弘毅内閣の国策まで一変せざるをえなかったとは知りませんでした。
つまり、海軍が仮想敵国に米・英両国を加えてきたわけですから、外交方針から根本的に転換しなければならないことになります。

その時、参謀本部の組織改変をやったのが、石原莞爾大佐です。
第二課(戦争指導と情勢判断を主務)を新設して課長になります。
これが通称で「戦争指導課」とよばれましたが、実はこれ、海軍の南進論の歯止めでもあったのですね。
石原はあくまで、産業の拡充計画を推進するための課。戦争をせざる参謀本部、筋の通った国防国家をつくるための参謀本部を考えていた、と。まったく、ソ連に対抗できない戦力国力を知っていたからでしょうね。
で、この戦争指導課という言葉は、結構誤解をされています。

それと、広田内閣のときの「軍部大臣現役制」。
この言葉も、軍部が政権に強い影響力をもつ意図で、復活させたというのが、常識になってますね。
ただ、これも最初の目的は全然別のところにありました。

あの、二二六事件の責任をとるかたちで、ほとんどの大将・中将が予備役に編入されました。
もしも、それらの将軍たちが政党などにかつがれて、大臣になったりしたら困る。それを防ぐ意味の現役制だったのですが・・・

歴史も多分に、結果論で語られることがありますし、その人(国)の史観やスタンスによっても、大きく見方が変わります。


現代史などでは、後からメディアがつけた呼び名が、「いわゆる×××」などと定着して、しかも現今ではそれがグローバルに駆け巡ることすら少なくありません。言葉による誤解などが増幅されるわけですか・・・・・・


ところで、あの戦艦『武蔵』『大和』が、陸軍にはまったく内緒で作られていたとは、知りませんでした。
満州事変を口実に予算を取って、造ってしまったとか。
造艦計画は、陸軍にはまったく知らされなかったそうです。
極秘の壁は、想像以上に厚かったのですかね。


















posted by shuuin at 18:27| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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