2007年08月21日

カミカゼと核の恐怖

ご存知の方も多いでしょうが、ディスカバリーチャンネルというのがあります。多分アメリカの放送局なんでしょうが、時々現代史を扱ったりもします。

時期に合わせたのでしょうが、19日に「神風特攻隊 その時」というセミドキュメンタリーの番組をやっていました。
残念ながら初めから視たわけではないのですが、ちょっと聞き捨てならない表現がありました。

それにしても、今年は証言をもとに構成する番組が内外ともに目立ちました。なかには何で今頃そんな新たな証言なのか? と、疑問に思うものもありました。60年以上が経過して、関係者や当事者の多くがすでに物故されて、確かめようもなく反証もあげられなくなってからの証言・・・・・・
事件現場の目撃証言のあやふやさというのは、よく聞かされることですが、歴史の証言にもやはりそれがありそうで、鵜呑みにするわけにもいかないような気がしたりします。証言者の年齢やスタンスや、その後の人生や、思い込みやあるいはイデオロギーなどで変わってしまうのではないか?とか。

話がそれましたが、上記の番組では最後の特攻隊という呼び方で宇垣纏を扱ってましたが、多分作家城山三郎あたりの小説の史観。
宇垣中将を悪者にしておけばそれですむという、切り口でした。
「毀誉褒貶は時の運」という言葉がありますが、諦観か達観かはしらず死者たちはあの世で苦笑いをしているかもしれません。
それにしても、勝手な忖度をやめて、死者を悼むだけの史観というのは無理なのですかね。

ところで、聞き捨てならなかったのはアメリカ側の証言者たちの言葉のなかに、あの原爆は戦争終結のための最善の選択だった、という意見が定着していることでした。
戦後、戦果の乏しさから神風特攻をただの無駄死にだったという評価が日本に広まりました。一方で、米軍側はカミカゼを恐れていたということを、前にレイテ海戦のところで触れましたが、まさにその恐怖が原爆を落とす理由になったというのです。なぜなら、日本本土に上陸をしたら、日本人は最後の一人まで特攻精神で向かってくるはずだ、それでは自分たちの犠牲者が増えるだけだから、原爆を落として戦争を終わらせた、と。

そして、番組の締めくくりのナレーションはこういって終わりました。
「したがって、カミカゼはその後の世界を核の恐怖に突き落としたともいえるのです」

なんとこれでは、神風特攻隊が原爆を開発させ、原爆投下を引き起こし、その後の冷戦時代を導いて今に至ったのだということですか!

日本人の何人がこの番組を見たのかわかりませんけれど、かなり真面目な番組であるだけに、驚きます。

風が吹けば桶屋が儲かる式の論法?にしても、神風が核兵器を産んだなどという説が、そのうち世の定説にもなりかねない?
神風がいまアメリカの核の傘になって日本を守ってる、なんて冗談にもならない気がするのですが・・・・・


原爆つながりですが、ある番組で原爆投下の肯定論の是非を云々しているときに、あのいま売れっ子の石破元防衛庁長官が、「一発目はともかく、二発目の長崎は許せない」とおっしゃってました。ところであの二発はたしかそれぞれタイプの違う原爆だったはずですから、威力を確認して人体実験などの科学的データを蒐集するためには、二発セットで使う必要があったのですね。

そして三発目の目標は、やはり東京だったようです。もっともあの時点では三発目はまだ完成していなかったのですが、長崎の後で東京上空に飛来する原爆機を長崎投下の翌日だったかに探知しています。原爆担当機は、あらかじめ攻撃目標上空訓練を繰り返してから来ていましたから、もしなおも戦争が継続されていたら、三発目はおそらく東京だったはずですね。


ところで、昨日の書いた戦艦ミズーリ艦上での降伏文書調印式に、ソ連のなんとかいう中将が参加していましたが、各国武官は式後その日のうちに帰国したのですが、ソ連代表だけは後に残って北海道を欲しいという意思表示をしたといいます。これを、マッカーサーが一蹴したわけですが、この力関係の背景にあったのが原子爆弾の威力でした。
この時点で、ソ連はまだ原爆をもっていませんでしたから、ごり押しはできなかったということです。


日本人にとって、なんとも複雑な歴史の綾ですね・・・・・・












posted by shuuin at 17:51| ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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